高周波とは よくあるご質問

発振器の周波数で高周波焼入れの深さは決まってしまうの?
高周波焼入れの場合、硬化層を浅くする場合は高めの周波数、深くする場合は低めの周波数を選定するのが一般的な方法といえます。

しかし、ある範囲内では目的の硬化層を得るには高周波・小電力で長時間加熱しても低周波・大電力で短時間に加熱しても目的を達することができます。

ですから“周波数で高周波焼入れの深さは決まってしまう”とは一概には言いきれません。現実的に同じ発振器で多品種・多条件の焼入れを行わなければならない場合、周波数は100kHz にし、出力の余裕度をみておくことで、ある程度の条件範囲がカバーできます。(とはいえ、極端に低周波・大電力で加熱することは設備コストや加熱時間の制御精度等の問題が出てきます。品質的にも焼むらの観点からあまりお勧めできません。また、高周波・小電力で時間をかけて加熱することはスケールや歪み、表面のオーバーヒートによる焼割れなどの問題も発生します。)

また、これも加熱コイルの形状やワークとのクリアランス等他の条件により、一概には言い切れないこともご承知置き下さい。お手元に高周波焼入れ設備があるようでしたら、出力と時間の設定を変えて(出力:大*時間:短 / 出力:小*時間:長)硬化層の変化を確認しておくと、大よその実用応用範囲が解ります。一度お試し下さい。
低周波加熱と高周波加熱は、どのくらいの周波数で分類されるの?
工業加熱における高周波や低周波といった周波数の分類ですが実際には、はっきりした定義は無いようです。商用周波(50/60Hz)のことを低周波と呼んだり、10kHz未満の周波数を低周波と呼んだりと文献によりまちまちです。本によっては中周波という分類まで出てきます。

当社の場合、10kHz未満の高周波設備が電波管理局への届出の必要が無いところからこの周波数帯域を低周波とし、10kHz以上の周波数を高周波としています。
高周波焼入れとは?
高周波誘導電流を利用して直接加熱物を発熱させ熱処理する表面硬化法で、主に鉄鋼製の機械部品の耐摩耗性、耐疲れ性、靭性を向上させる為に利用されています。このような焼入れ処理を行った部品は自動車、オートバイ産業を筆頭に家電、産業用工作機械等多岐に渡って活用されています。
産業機械用誘導加熱装置(高周波発振器)とは?
高周波誘導電流を発生させる為の電源装置で金属の加熱が主な目的です。具体的利用には、溶解・鍛造・焼入れ・溶接・ロー付け・乾燥・予熱・電子管製 造などがあり、食品産業や化学工業分野のように加熱された金属の熱を利用した使い方もあります。出力は目的に応じて数百W~数千kWまで、周波数も数百 Hz~数百kHzまでと様々です。

誘導加熱装置を発振回路で大別すると真空管式と半導体式に別れます。半導体式は、省スペース、省エネルギーの特徴を持ち、近年の半導体技術進歩に伴い増えつつありますが、真空管式に比べ負荷の適応性に乏しいことが課題となっています。一方、真空管式は負荷の適応性に優れ一台で多品種部品に対応する汎用装置には最適ですが、高電圧を扱う点や設備が大きくなってしまう等の短所も持ち合せています。

真空管式発振器は現在も当社を含め各メーカーで製作されており、特に高周波焼入れ分野においては今でも主流と言えるでしょう。

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